『黄金のアウトプット術』 成毛眞
”外出時の料理の写真をSNSに挙げるのは、ただのカメラロールの肥やしであり、記録であり、何ら生産性がない”
「はじめに」の中の、ある一節だ。
筆者の言うアウトプットとは、ここではその料理を実際に自分の手で作ることを言う。
このアウトプットによって、原材料や調理法が気になったりして、インプットの質も上がる。
「書く」というアウトプット
書く際のポイントは、なるべく短く書け。そしてリズムよく。
そのために、書いた文章は一晩寝かせる。
翌日の校閲で、昨晩には気づけなかった細かなミスなどに目が留まる。
その際、テンポの良いリズムに整えることが大事。
キーワードは、「都々逸調」
これは、「三千世界のカラスを殺し ぬしと添い寝が してみたい」
などの、七七七五調のリズムだ。
「どんぐりころころ どんぶりこ」「あたり前田のクラッカー」「ありがとう いいくすりです」
などの七五調、五七調もよい。
要は、七と五の組み合わせだ。
プレゼンは弁当だ
「プレゼンで自分が一番伝えたかったことが相手に伝わってなかった。むしろどうでもいいこと、さほど重要ではない事が相手に伝わり、印象付けられてしまうことが多々ある」
筆者はそう語る。
プレゼンを弁当に例えるなら、
一番伝えたいこと=メインのおかず
つなぎの部分(どうでもいいこと)=付け合わせ、添え物
プレゼンでは、この「メインのおかず」を一つ用意するのではなく、伝えたいことの優先度が2,3番目のものもおかずとして散りばめる。要は「サイドディッシュ」を用意するのだ。
もしメインのおかずが伝わらなくても、サイドディッシュが伝われば、「あの人のプレゼンは中身がしっかりしたものだったな」という印象を与えられる。印象のお土産を持って帰ってもらえるのだ。
また、プレゼンに使用するスライド1枚に対する持ち時間は1分。つまり1スライド=1分
NHKのアナウンサーが話す速度は300文字/1分
これを目指して話すのがコツ。そして資料はあらかじめ配布しない。
先に読まれて分かったつもりになられて集中してプレゼンを聞いてもらえなくなるからだ。
アウトプットの技法について
マネタイズ化の、ひと工夫、手間
かつてゴールドマンサックスは、倒産しそうな会社を破格の安さで購入した。
さて、買った側は買った会社をどうするのだろうか?
ここにマネタイズのひと手間が隠されている。
買った側は、買収した会社をさっさと潰す。そしてそこ会社の所有品、土地やデスク、照明、建物解体による角材、タイル、窓ガラス……これらを片っ端から売りさばくのだ
会社を会社のまま売ろうとしても、経営の改善が見込めない以上、誰も買うわけがない。そうではなく、インプットしたもの(ここでは会社)を個々の要素にバラバラに解体してアウトプットのする(売る)
このようなゴールドマンサックスの手法は身近に存在する。
”1冊100円で買った洋書や海岸で拾った貝殻をインテリアグッズとして売る”
本来の目的から少しズラスことで需要を生む。インプットを求めている人に対して他の使い方に編集してアウトプットするのだ。
このように、インプットすべきものは、これからの時代、知識ではなく技法。つまりアウトプットの仕方である。
得た情報から何を得、どう加工するか
AI時代に生きる私たちの生存戦略ではないだろうか
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