『億男』 川村元気
「お金と幸せの答えを教えてあげよう」
弟の多額の借金返済を肩代わりすることになり、奥さんと娘と別居を余儀なくされた冴えない主人公・一男は、福引の景品で得た宝くじで3億円を当てる。彼の親友・九十九のもとに、そのお金をどのように使っていくか、どう向き合っていくかを助言してもらうため訪ねた翌朝、九十九と3億円は姿を消してしまう。
一男と九十九の会社の元同僚との関わりの中で展開される、ソクラテスやドストエフスキー、チャップリン、福沢諭吉などの金言に触れることで、「お金」という不思議なものをめぐる一男の三十日間の冒険が本書の構成となっています。
「人生に必要なもの。それは勇気と想像力と、ほんのちょっとのお金さ」
チャーリー・チャップリンは、かつてこう言いました。
この3つの中で1つだけ他と違うものがあります。それは何でしょうか??
そう、お金です。
お金だけ、実体があります。目に見えます。他の2つは人の心次第でどうにもなります。
しかしお金だけは〝それ″がないと始まらないしそもそも人が人工的に造り出したものです。
お金が嫌いな人はいないと思います。みんなお金が好き。
でも本当にお金が好きならお金の全てを知ろうとするはずです。紙幣のタテヨコの長さ、重さ、使われている材料、加工技術……
それらを調べるのが楽しくて仕方ないはずです。だってお金が好きなのだから。
趣味のことを調べたり知ることは楽しいです。それと同じはずです。
でもお金について調べるなんてことをしている人はほとんどいないと思います。自分もそうです。
みんな、「お金そのもの」が好きなのじゃなくて、「お金のその先に得られる何か」が好きなだけなんです。
当たり前だけどこの前提をしっかりと自分の中ではっきりさせておかないとお金に振り回されることになると九十九は言います。
そして、お金は信用です。紙でもあり、信用でもある。
この信用という意識はキングコング・西野さんやホリエモンが散々言っていて聞いたことはあっても、自分はその本質を理解してはいません。
でも、お金を信用と、さまざまなモノやサービスに付けられる価値が信用だと考えると、自分は何に対してお金を払っているのか、何が信用を生んでいるのかが本書を読んで日常生活に落とし込むと分かってくるようになると思います。
そして一男も、このお金によって何が本当に欲しいのか、何を得て何を失うのか、その答えに導くヒントを本書の中で登場する何人もの人々、偉人の名言と共に得て、答えを見つけていく……
果たして、一男は宝くじで得た3億円、そして親友・九十九と無事再会することは出来るのか!?
ぜひ一読していただければと思います。お金という不思議なものの一男の答え、そしてあなたの答えが待ってます。
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