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本のご紹介、読書日記

『ワンコイン心理術』  メンタリストDaigo

ワンコイン心理術 (PHP文庫)
ワンコイン心理術 (PHP文庫)
PHP研究所
2016-09-03



今回は、テレビでもお馴染みのメンタリストDaigoさんが書かれた人心掌握術に関する本の紹介です!


印象的だった部分



・マーキング


話の中で自分が相手に最も伝えたい部分を声のトーンや大きさを変えて伝えることで、相手にその部分を印象付ける方法。全体的に早口で話している中である部分だけがゆっくり話されると人はその部分を記憶にとどめやすくなる。


・サイレントフォーカス


大事なことを言う前に一定の時間を故意に開けることで相手の関心を集め、緊張感を与えられるのでそのあとに続く発言を印象付けることが出来る。この手法を積極的かつ効果的に用いたのがヒトラーであった。彼の文章自体はさほど上手くはないのだが、スピーチの仕方がうまかったからこそ多くの人を扇動できたのだ。プレゼンやスピーチで最も大切なのは文法や言い回しではなく自分が伝えたいメッセージをいかに相手の心に刻み付けるかである。



・相手の選択を操るテクニック


人や物事を選択するときは何か比較できるものがあったほうが選びやすくなる。だから。例えばA案を相手に選びさせたければ、それと似ているのだがその劣化版であるÁ案を提示してあげればそれと本命のA案を必然的に比較してしまうため、A案がたとえ良いものでなかったとしても「ÁよりはAのほうがいいかな」と相手に思わせることができる。
また、人間には「極端回避性」というものがあり、A、B、C、の中でBを選びやすい。だから、三択であれば本命のBのほかに革新的なもの、保守的なものを織り込めば極端回避性によりBを選びやすくなる
さらに、人は目の前に差し出されたもののうち、真ん中のものを選ぶ傾向にあるということ。だからテーブルなどに選択肢を提示する際には選ばせたいものを中心に置くべき。
最後に、「コントラスト効果」というものがある。人は最初に見たものを次に出てくるものの判断基準にするため、最初に劣ったものを見せてから本命のものを見せるのが効果的。この手法をよく用いるのが不動産会社おとり物件を最初に見せておいて次に買わせたい物件を紹介することで、その物件が本来よりもより魅力的に映ってしまい、客が買いやすくなる


・認知的不協和の原理


例えば、認知1:「プライベートな話は親しい人にするものだ」
    認知2:「親しくもない人Aさんにプライベートな話をしてしまった」
という矛盾する認知状態にある人は、それを解消するために認知2のほうを「Aさんには親しみを感じていたからプライベートな話をしたんだ」と修正しようとする。だから、初対面の人やさほど仲良くない相手と親しくなるには、まず自分からプライベートな話を持ち掛ける。



・大義名分を利用する


人は、何かと理由を求める生き物。だから、人を説得したり誘いたいときにはそれらしい大義名分を示してあげると納得しやすくなる。



・女性に対する褒め方、謝り方


女性は結果よりもプロセスを重視しがちな生き物。女性の脳は共感脳だから、何かを成し遂げたりしてくれた時はその行程の中で辛かったこと、努力したことなどを想像してそれに共感してあげる。そして感謝の言葉を投げかける。逆に自分が失敗して女性に迷惑をかけてしまった時はその理由を述べるのではなく、自分の失敗によって彼女がどれほど迷惑を被ったかを想像し、そこに共感して謝罪することが重要



・相手の協調性の違いに応じた物事の頼み方


協調性の低い相手に対して何かを頼みたいときは、「これは君にしか頼めないことだから」と、相手に重要感、特別感を与えるのが効果的。協調性の低い人は独立心が強いため、それを逆手にとる。
協調性の高い相手には「あなたがこれをやってくれると本当にチームが助かるんだ。チームに貢献できるのはあなたしかいないよ」と、相手をチームという大きなものに巻き込んであげる。相手の協調性の高さを逆手に取ることで積極性を利用する。



・何かと口出ししてくる相手への対処法


口出ししてくる相手は人を支配したいという欲が強いのが特徴。だからその支配欲を利用して、あえて口出しさせて支配欲を満たしてあげる。相手に口出しさせる前に自分から指示を仰げば相手は自分が重要視されていると錯覚し、いずれ口出ししてこなくなる。これも相手の欲を先取りするというカーネギーの教えに通じる部分である。
また、相手から批判や主張を述べられた時は「おっしゃる通りです」「その通りです」と、まずYESと答える。人は「おっしゃる通りです」と言われると、その時点で自分の主張が通ったように感じる。だから、まずYESと答えておいて、そのあとに反論してあげれば相手への同意と一致していなくても納得してもらえる。これは、クレーマーに対処する際にも有効である。クレーマーは自分を特別扱いしてほしいという承認欲求が強いため、相手の主張に対しまずはYESと答えて共感し、相手がいかに自社の商品を考えてくださっているかということに対して感謝の意を表してから謝罪する。決してクレームには反論してはいけない。相手は何かと文句をつけてこちらを煽りたいだけなのだから、それに共感してもらえるとは微塵も思っていない。だからこそ、あえて共感すれば意表を突くことができ、クレーマーの戦意を喪失させられる。



・相手の要求を受け入れるときは、条件を提示する


人から何か面倒なことを頼まれたときは、まず承諾し、そして「その代わりにあなたは○○をやってください」と条件を与えるその条件を本来自分が依頼された内容のものにしてあげれば相手は自分に頼みごとをしたのだから断りづらくなる。当初頼まれたことが結果的に相手にわたってしまう状況をいかに作り出せるかがカギとなる。



・インタビュー効果


人は、相手がメモを取っているのを確認すると、心を開いていろいろと話しやすくなる効果がある。これは先のクレーマーやいちいち口出ししてくる上司に対しても応用できる。「メモを取る=自分の話を一生懸命聞いてくれている」と人は思うため、相手に満足感や自己肯定感を与えられる。