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本のご紹介、読書日記

自分を変える習慣力   三浦将

自分を変える習慣力 (Business Life 1)
自分を変える習慣力 (Business Life 1)
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
2015-11-24



副題の「コーチングのプロが教える、潜在意識を味方につける方法」ということで、何か目標を立てて習慣づけをしようと思っても、三日坊主……。


そんな経験は誰しもがあるとおもいます。


その「習慣づけ」を、潜在意識を上手に活用することで簡単に行う方法をご紹介してくれるのがこの本です。


目次


prologue: 自分を変える習慣力
chapter:1 習慣化への4ステップ
chapter:2 潜在意識を味方につける
chapter:3 頑張らなくていい理由
chapter:4 習慣は才能を超える
chapter:5 スイッチとなる習慣の見つけ方
chapter:6 仕事・生活習慣の磨き方
chapter:7 人生を根本から変える習慣




良い習慣1つで悪い習慣全てが変わる

あるサラリーマンの話。


毎朝5時に起きる生活リズムを身に着けると、出勤までの時間を英会話の勉強や読書、新たな事業モデルの構築、ランニングなどの運動などに使うようになった。
さらに連日の飲み会も、朝起きるためにきっぱりと断るようになり、飲酒量も激減した。
そして、同僚の付き合いで吸っていたタバコもやめるようになったという。


このように、毎朝朝5時に起きるというたった1つの習慣が、様々な良い習慣を呼び込んだだけでなく、悪い習慣も断ち切るようになったのです。



無意識レベルを目指す


無意識➡意識➡無意識


習慣化には段階があって、最初の「無意識」は、「知らない」という状態です。
例えば、自転車に乗れない子供は、自転車の乗り方を「知らない」状態です。

そして次の「意識」の段階では、その行動が「出来る」「知っている」状態です。

さいごに、その行動を意識しなくても「やっている」という「無意識」の段階です。

習慣化は、意思をほとんど働かせなくても自然に動作を「やっている」状態を目指すことです。いわば、動作を自動化するということです。


習慣化の初期段階で最も重要なことは…



成果ではなく定着


習慣化の最初の段階で大事なのは、「成果を上げること」ではなく「定着させること」です。

例えば、ダイエットのための運動や食事制限の習慣を定着させるために、最初の3週間はどんなに体重が減らなくても続け、体重の増減に一喜一憂しない事です。


これを3週間続ければ、運動や食事制限が「当たり前」になり、「もう少し走りたい」くらいの感覚で続けていると走ることが「快の感情」と結びつき、さらなる効果が期待できます。


また、習慣化したい行動やノルマは、目に見える形のものが良いです。


ですのでポイントは、頑張らない無理しない、そして日々粛々とやることです。



続けることが大事。成果は後からついてくる



脳力を上げる習慣とは


快適領域を超える


「快適領域」とは、いわば「ぬるま湯地帯」。すでにできることや、チャレンジせずに出来てしまうことです。


人は、慣れ親しんだことのほうが安心であり、何か新しいこと、チャレンジが必要なことに対しては不安を感じます。


しかしその一方、快適領域を超えることには大きなメリットもあります。


快適領域を超え、新しいことや難しいことにチャレンジしようとすると、それに対応するために脳内のニューロンに新たな強い結合が起こり、脳のレベルが上がって頭が良くなるうのです。
まさに、ポテンシャルが上がる瞬間です。



普段やらないことをやってみる習慣


新しいこと、難しいことにチャレンジするための近道は「普段やらないこと」をやることです。


少しずつ、小さなステップで普段やらないことをやってみる


すると少しずつ快適領域を超えて快適領域が広がります。


前まで「チャレンジ」だったことが「当たり前」になるのです。


例えば、
・駅から自宅までの帰宅ルートとは違う道で帰ってみる
・普段あまりしゃべらない人をランチに誘ってみる
・エレベーターではなく、階段を使ってみる


こんな小さなことでも、脳にとっては快適領域を超える経験であり、決断グセがつくようになります。



目的論で考える習慣とは


「なぜ?」という質問をどう使い分けるか


みなさんは、トヨタの「5回の質問」をご存知でしょうか?

現場で起こっている事象の原因追及のために、「なぜ?」を5回問うのです。

この「5回のなぜ?」によって根本の原因が分かるというのがトヨタの理念なのですが、これを社内で習慣化しようとしたときに、なぜ?を5回ぶつけることが目的となってしまい、「なぜ?」の対象が「物事」ではなく「人」に対して向けられてしまう、という問題があります。


そうすると、原因追及どころか相手の人格否定につながりかねません。


「なぜこの部品が欠損した?」と使うべき「なぜ?」を「なぜ、あなたはその欠損に気づかなかった?」という犯人探しになってしまうのです。





視点を変える


こうならないために、「なぜ?」を未来志向の「どうしたら?」に変えてみるのです。


「なぜ、部品の欠損が起こった?」よりも「どうしたら、欠損は起きないだろうか?」のほうが再発防止に繋がりそうではないでしょうか?


この「どうしたら?」という考え方が、目的論で考える方法です。




「どうしたら?」と考えるクセをつけよう



心を安定させる習慣


とらえ方で世界を変えるABC理論


A: Activating event(出来事)
B: Belief(信念、価値観)
C: consequence(結果)

例えば

A:「あなたの広告案には、具体的な成果が盛り込まれておらず、今1つ伝えたいことが分からない」

という侮辱的な指摘をされるという出来事があるとします。

すると捉え方として

①「ふざけるな、他部署のあなたに何が分かる!」
②「困ったな。ほかにプレゼンは用意していないのに」
③「鋭いところを突かれたな。真剣に聞いてくれているんだな」
④「確かにその通りだな。そこを明確にすると、さらにいい案になるな」


の4つが挙げられます。


さて、どの捉え方が一番効果的かつ周りに害を与えないでしょうか?


④ですよね。


①や②の消極的なとらえ方ではなく、③や④の積極的なとらえ方は、豊かな感情をもたらします。


このように、とらえ方1つ違ったら世界はガラリと変わります。


自分だけでなく、周りをも不快にさせる①や、不満だけを口にして解決しようとしない②などよりも、相手の意見を真摯に受け止め、自らの成長につなげようとする姿勢は大事ですよね。



どうやって、積極的にとらえるか?


「③や④のようなとらえ方が大事なのは分かるんだよ。それができないからみんな苦労しているんだ!」


というような声が聞こえてきそうなので、本書で紹介されていたテクニックというか考え方のコツを書こうと思います。



コツ: 今のとらえ方は積極的か?と自分に問う


相手に対する反応が積極的かどうかを逐一確かめる習慣をつけてしまえば自ずと積極的なとらえ方が出来るようになると思います。



終わりに


習慣かを身につけて成功した人は何もある日突然、「素振りを一日1000回やろう」とか、「一日10キロ走ろう」とかが出来るようになったわけではありません。

みなさん、段々と回数や距離を上げていった結果です。

最初は10メートルも飛べなかったスキージャンパーが、20、30と毎日距離を少しずつ延ばしていった結果、140メートル跳べるようになるのと同じです。

自分もあせらず「とにかく続けること」を目標に、「続けられている喜び」を噛みしめながらそんな自分を褒めつつ頑張ろうと思えました。