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ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門


ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門
ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門
あさ出版




突然ですが、みなさんに問題です!


13個のミカンを3人に公平に分ける方法は何でしょうか?


ラテラルシンキングとは、ロジカルシンキングのように、正解にたどり着く過程をA→B→Cのように順番通りに論理的に考える方法と違って、正解にたどり着くことだけを目的としてその過程や順番を問題としない考え方です。つまりA→Zでも構わないのです。


先程の問題で考えると、「4個ずつ3人に分けて残り1個を3等分する」「重さで3等分する」などがロジカルシンキング
一方、「13個全部絞ってジュースにして3人に分ける」「種を植えて実がなってから3等分する」などがラテラルシンキング


上のようなロジカルシンキングをした方も多いと思います。自分もそうでした。
一見、ラテラルシンキングは突飛で飛躍的です。でも柔軟だなぁって思います。


現代においてなぜラテラルシンキングが必要なんでしょうか?


私たちが学校で教わるのはロジカルシンキングです。1つの正解に向かって順序良く考える方法。


でも世の中にはどれが正解か分からない問題が溢れていて、その時に色んな案を出せるのがラテラルシンキングなのです。


そもそも「ラテラル」とは水平という意味です。ラテラルシンキングの目的は思考の幅を広げること。そのために自由奔放直感的な考え、枠にとらわれない考え方をして、たくさんの回答を良しとします。


ロジカルシンキングばかりしていると窮屈な考え方に染まってしまい、アイデアの数が減ってしまいます


にもかかわらず、私たちの暮らしの中にはそれに導こうとするもの、ラテラルシンキングの機会を奪うもの、つまりルールや常識、マニュアルなどがはびこっています。


常識は今の時代、いつ崩壊するか分かりません、また、新しいことをするとき、ルールや常識なんてありません。頼りになるのは己の直感のみです。そんなとき、ラテラルシンキングが必要になるのです。


さあ、ラテラルシンキングの世界を探検していきましょう!



目次
1章 ようこそ!ラテラルシンキングの世界へ
2章 ラテラルシンキングに必要な3つの力
3章 最小の力で最大の効果を出す
4章 相手の力を利用する
5章 異質なもの同士を組み合わせる
6章 先の先を読む
7章 ムダなものを捨てない
8章 マイナスをプラスに変える
9章 ラテラルシンキングの力を試してみよう



ラテラルシンキングに必要な3つの力


  • 抽象化する力

  • 疑う力

  • セレンディピティ


抽象化の3つのステップ


対象の特定→抽象化→具体化


ここで、対象の特定から抽象化へのプロセスで大事なのは、本質を見抜くこと


そのために、あるものを「〇〇するもの」と、用途を考える


この時、常識に縛られないことが大事。日頃から「何をするものか?」「他に用途はないか?」と考える習慣をつけたい。



弱者が生き抜くための3つの方法


  • コバンザメ型
  • 寄生虫型
  • ヤドカリ・イソギンチャク型


コバンザメ型…大きな業界(強者)の力を借りて市場を生み出す


例えば、自動車とカー用品、パソコンと周辺機器、携帯電話とストラップなどの付属品など


自社の販売戦略に強豪他者のマーケティング力を利用する。


トップ企業があるデパートに出店したら自分たちも出店する、ライバルが駅に広告を張ったら自分たちもそこに貼る、有名なメーカーがある場所に自販機を置いたら自分たちもそこに置く、などなど。


寄生中型…他社の利益に与って利益を得る


コバンザメ型と違って、こちらは一方に影響を与える。
例えば、ベストセラー本の類似本や解説書、批判書など。また、行列店の隣の店など


ヤドカリ・イソギンチャク型…持ちつ持たれつのWin-Winの関係


これは、弱者・強者の垣根なく対等なもの


例えば、「高級料理店で○○県産の肉を使用!」や「あの××社のカーナビを搭載!」などのキャッチコピー。



異質なものを組み合わせる


あるものとあるものの組み合わせの際のコツ、それが


組み合わせる材料をできるだけ多くストックしておくこと。


だから、役に立たなそうなものでも頭に入れておくと、頭の中のアンテナが自動的に動き、思わぬ化学反応をもたらす


また、組み合わせるそれぞれのものの用途、特徴を洗い出して互いの共通項を見つける。つまり抽象化を行う。そしてマッチするか実際にシミュレーションしてみる。



ムダなものは本当にムダなのか?


ムダはロジカルシンキングにとっては邪魔者ですが、ラテラルシンキングにとってはセレンディピティを生むきっかけに成り得る必要不可欠なものなのです。


例えば「雪」


雪国の人にとって、雪ほど邪魔なものはありません。しかし、それを雪像に利用して始まったのが「雪まつり」。


他には、家具屋さんの店頭の真っ赤なソファー


これ自体は売れないし邪魔に見えますが、店の前を通りすぎる人へのキャッチとなり、入店のきっかけになります。
「自分の家にこんな真っ赤なソファーは無理だなぁ」と思いながら入店した人のソファー欲は消えていません。だからシックなソファーを目にしたときに思わず惹かれて買ってしまうのです。


それ自体はムダなように見えるものでも、他の用途を考える、ある目的(売り上げや商品開発など)のための1手段を考えることで思わぬ効果を得られるのです。